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18.冷たい目
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合宿まで1週間もない日曜日。
俺達は合宿の準備のために、少し家から遠い大きいショッピングモールに来ていた。
「別にあそこじゃなくても、近くの店でいいじゃん」
健也はそう言っていたけど、光がせっかくなら大きいところに行きたいと言ったので行くことになった。
「早いな、意外に」
俺より先に待っていた彰人が俺に言う。
「先に来てるとは思わなかった」
俺はそう言って時計を見る。
10時40分。予定より20分早い。
「話したいことがあったからな、お前に」
彰人はそう言って、俺の方を向く。
「勝負とやらはどこにいったんだよ」
もちろん、忘れていた訳では無い。
むしろ、覚えていた。
でも、もはや勝負などできる状態ではなかった。
「お前が勝負を破棄するなら、勝手にしろ。」
彰人が言う。
「お前、分かりやすいよ」
「え?」
俺は彰人の言葉が理解できず、腑抜けた声が出る。
「お前、光のこと好きだろ」
彰人が俺を見て言った。
俺はまさか彰人が気づいてるとは思わず、何も言えなかった。
「図星かよ」
彰人は少し笑って、真剣な目になった。
真剣・・・
というより、冷たい目で言った。
「その汚い感情は捨てろ」
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