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帰るわ
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青峰くんがいる。
高尾くん同様、大人びた見た目の青峰くんがいる。
嬉しかった。
ちゃんと生活しているようで、健康そうだ。
よかった。
本当によかった。
だから、僕は青峰くんに抱きつかれたとき、昔のように頭を撫でた。
相変わらず、青い髪だ。
久々に会った元恋人は、愛しいほどに泣いている。
思わずほっこりした。
これも、高尾くんのおかげだ。
全部全部、高尾くんと出会えたから、いまがある。
感謝しなくてはですね。
「テツ……お帰り」
「はい。ただいまです」
そう返すと、高尾くんが言った。
「俺、帰るわ。あとは二人でよろしくやってれば?」
「え……?」
「おい、高尾。どう言う意味だよ」
青峰くんが高尾くんに攻めるように言います。
すると、高尾くんは鋭い目つきで青峰くんを睨んだあと、笑った。
顔だけで笑った。
「べっつに?。ただ、せっかくの再会を邪魔しちゃ悪いじゃん? だから、お邪魔虫の俺は帰りま?す」
目は、悲しげに揺れていた。
「高尾くん……?」
「じゃ?な?」
手を振って身を翻す高尾くん。
その目尻から、涙が少しだけ流れてた。
「高尾くん!」
全速力で走っていく高尾くん。
それを見て、どうしようか迷っていると、青峰くんが怒鳴った。
「テツ! なにしてんだ! 早く追え!」
「青峰くん……。わかりました」
僕は青峰くんを置いて、高尾くんを追いかけます。
どうしたんですか高尾くん。
どうして急に、あんな悲しい目をしたんですか。
高尾くん。
待って。
置いて行かないで。
高尾くん。
高尾くん。
高尾くん。
「高尾くん!」
その瞬間、僕は転んだ。
行かないでください、高尾くん。
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