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真っ赤な林檎
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タクミくんは18歳でM大学の学生らしい。
信じられないが、柏原さんと同じ大学に通っている。
後から聞いた話だが、
柏原さんはタクミくんのことを認知していて、その上で近付こうとしていなかったという。
彼は大学でもあんな感じらしいから仕方無い。
「俺、そんな怖そうに見えるか?」
「…まあ、うん。」
「っしゃぁあ!!!」
両手を挙げ、雄叫びをあげるタクミくん。
なんで喜んでるの?!!!
「…おれ、顔のせいで舐められること多かったんだけどよ、兄貴の真似してたら舐められなくなってよぉ。」
その話は未だに信じられないが、取り敢えず相槌を打っておく。
「兄貴は俺の世界を変えてくれたんだ。だから今は前を向いて、堂々としていられんだ。」
ただの生意気な不良だと思ってたけど、人並みに色々悩んできたんだろう。
「…正直にこの話したの、お前が初めてだ。なんでだろうな。」
「…そうか。」
話をしてくれたのが嬉しかったせいか、
思わずタクミくんの頭をポンポンと叩いた。
「…なっ!!」
「話してくれてありがとな。」
タクミくんは真っ赤な顔で後ずさりをした。
色白のせいか、まるで熟した林檎の様だ。
「子供扱いすんじゃねぇよ!くそっ!」
「あ、ごめんごめん。タクミくんが話してくれたのが嬉しかったもんで。」
「……えっと、……俺のことタクミって呼べばいんじゃね。」
急にそんなこと言うものだから少し驚いた。
最初はアレだったが、毛を逆立てた猫だと思ったら可愛く見えるもんだな。
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