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髪色なんて個性の1つ
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「俺を雇って下さい!!!!」
早朝、店前で叫びながら頭を下げるタクミ。
いつからここで待っていたんだろう。
耳が真っ赤だ。
ともかく何でも声を張り上げれば良い訳では無い。
ここら辺の住人にも気を使わなければならない。
「声のボリューム下げて…!
…もしかして、監視のためか?」
タクミは顔を下げたまま、言う。
「そ、そうっす…!コンビニのバイト辞めるつもりだし。駄目っすか?」
「うーん、募集かけてないからな…。」
新規のアルバイトを雇う程、ウチの店には金がない。
柏原さんを雇ったのも、仕方が無くである。
ていうか、店長は店の宣伝にあまり積極的じゃないかった。
「俺、絶対役に立つんで!大学で経営学やってるし、実家も自営業だったんで、よく手伝いとかしてて。」
俺より役に立ちそうだ。
そんな事聞いてしまったら、タクミが人手に欲しくなった。
でも店長が雇ってくれるか…。
頭を悩ましていると、背後から声がした。
「…役に立ちそうじゃないか。」
「店長…!」
ひょこりと店長は姿を現した。
彼はニコニコした顔で、タクミを見つめていた。
「給料は期待しないでほしいが、それでもやってくれるかい。」
「勿論っす。」
「…採用だ。」
「っしゃあ!」
タクミがもっとはしゃぎそうなので、しーっと口に手を当てた。
タクミはそれに気付くと、慌てて口を閉じた。
「ただ、その髪は不味いかなぁ…。」
「え!駄目っすか?コンビニの時は許して貰えたのに…。」
どうせ、店長に脅しでもかけていたんだろう。
普通ならこんな派手な奴雇おうとはしない。
「しょうがないっすね…。」
俺は拍子抜けした。
案外聞き分け良いんだな。
「次は金髪にすっか。」
………おい!!!
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