アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
急展開
-
「好きです」
「………っ!!」
「とか言いそうだよな、ドラマだったら。なんてな。あははっ…!」
「………。」
「ごめん、冗談だったんだけど…。」
タクミは口を噤んだまま、俺を見ようとしない。
ていうか、口元が震えている。
寒さからじゃない、何かに恐れて震えている気がした。
すると、タクミの目から涙が零れた。
「冗談じゃねぇ…。」
「お、おい…?」
「冗談じゃねえって…!!!」
怒ったタクミの声が、閑静な住宅街に響いた。
流石にふざけすぎた。
こんなに怒るなんて予想外だ。
タクミの緊張を解そうとして失敗してしまった。
「はぁっ…」
「…ごめん。冗談が過ぎた…。」
「………冗談じゃねえって、言った。」
タクミはやっと目を合わせてくれたが、さっきとは違う。
赤い目元には、決意の光を灯している様だった。
これは流石の俺でも分かる。
選択肢にも思い浮かばない、予想外の展開だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 130