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恋とは
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感傷に浸っていると、デジャヴのようにあの声が話しかけてきた。
「タクミさん。」
「おまっ…!………いつからいた。」
電柱の後ろから、柏原が出てきた。
この女、一部始終見てたな。
顔が物語っている。
「ドンマイです。」
「あ゛あっ…?!」
慰めてんのか、からかってんのかよく分からない調子で話しかけてきた。
1人にして欲しいのに、立ち去る雰囲気も無い。
「お前、ふざけてんならぶっ飛ばすぞ」
「ていうかそもそも、仲原さんから多田さん奪えるって思ってたんですか?」
「ゔっ……。」
そんなこと考えていなかった。
取り敢えず告白して、それから考えようと思っていた。
後先考えずに行動してたんだ、俺。
「早めに失恋して良かったじゃないですか。傷は浅い方が楽ですよ」
「早くても遅くても傷付くのには変わらねぇよ…。」
けれど、女の言うことにも一理ある。
こんな形の失恋だったけど、希望を持ち続けていたら本当に心が折れていたかもしれない。
「…タクミさん。仲原さんは、多田さんに恋なんかしてません。」
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