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櫻井典子の出現2
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「お゛い……!」
タクミは低い声を絞り出し、櫻井という女に声をかける。
女はその声に気付くと、パッと目を輝かせた。
「タクミさんですね!!」
「は?」
珍しく、ドス声の効かない人に対面したタクミは激しく動揺していた。
女は隙を与えず、賞賛する言葉を垂れ流した。
「こんなに綺麗な顔立ちをされた方、初めて見ました。芸能人やモデルじゃないなんて、信じられないです。」
「お、おい…「是非、インタビューをさせて下さい。」
この一言を言いたかっただけだろう。
女が不敵に笑う一方、タクミは苦笑い。
いつもの勢いを無くしてしまった。
店長は静かに口を開いた。
「わざわざご足労ありがとうございます。…実を言うと、彼はメディアでの露出をあまり望んでいません。」
「…では、snsで情報を発信したのは何故ですか?」
痛い質問だな。
「イベントの宣伝が目的でした。」
「そうは言っても、タクミさんがキッカケで広まった訳でしょう。彼が望まないのなら、食べ物の写真だけ投稿すれば良かったでしょう。」
「……ゔぅん。」
店長は困ったように咳払い。
女は、勝ち誇ったように微笑んでいた。
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