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淀む空気
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「そういえば….貴方もここの店員ですよね」
女は髪をかきあげ、こちらを見た。
まるで獲物を狩るような視線に、居た堪れなくなる。
「そ、そうですけど…」
怖かったけれど、目線だけ女の顔に移した。
すると、女は一瞬黙り、何か思い出したように尋ねた。
「…以前、お会いしましたっけ」
新手のナンパで、そういう誘い文句あるよな。
他にも、「コンタクト落としちゃった☆」とか。
…って、今はそんなこと考えている場合じゃない。
「えっと…」
じっと全身を観察されているのが分かる。
次は何を言われるのか、俺はビクビクしながら構えていた。
この女、なんか怖い…!
カラン…。
そんな居心地の悪い店内の空気が入れ替わるように、軽やかな鈴の音が鳴った。
「こんにちわ〜」
呑気なこの挨拶と、頬に笑みを浮かべる男は1人しかいない。
「翔ちゃん?」
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