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悪意2
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「貴方の事を思い出したの…多田翔平。」
「…いや、多田翔です」
「違うわ、翔平よ…!私覚えてるんだから」
名前違うんですけど…。
怒った櫻井さんは、俺に指を差して叫んだ。
「中学の頃、貴方のせいで仲原くんに振られたの…!この私がよ?!」
…アイツの元カノか。
悪いけど、俺は一切憶えて無かった。
「いっつもいっつも、仲原くんは貴方の事ばかり…。彼女の私より、只のクラスメイトの貴方にゾッコンだったわ」
そういえば、中学の頃、アイツは学年中の女子と遊んだりしていたな。
本命を作ろうとせず、女の子を弄んで最低な奴だった。
その頃から、本当に嫌いだった。
「本当に嫌いだった。思い出したら腹が立ってしょうがない」
「……。」
「仲原くんと離れて頂戴」
「…無理だね」
「何ですって…!?」
ヒステリックな女だな。
これだから、色恋沙汰は面倒くさいんだ。
「俺は付きまとわれてるだけ。あの店を辞める気は無いし、アイツも来るのを辞めないだろう。」
それよりも、お前がどっかへ行ってくれ。
高い声で、耳が痛くなりそうだ。
「貴方…仲原くんを嫌いな割には受け容れてるのね。なんか、矛盾してない?」
「…何?」
俺が食いつくように反応すると、今度は余裕の表情を浮かべた。
彼女は鼻で笑うと、こう言った。
「まるで、思春期の女の子が恋心を隠すために、わざと冷たくしてるみたい」
「…っ!!」
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