アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
救出3
-
そうして何分か時間が経つと、玄関の扉が開く音がした。
姿を現したのは兄貴だった。
「翔ちゃん…!!」
「兄貴…」
やっと来てくれた。
酒のせいか、足はヘトヘトだけど。
俺は兄貴に警告した。
「…翔はパニック起こしてるみたいっす。近付かない方が良いっすよ」
兄貴は深呼吸をし、切らした息を落ち着かせた。
「大丈夫」
そう言って、ゆっくりと翔の元へ近づいた。
翔は未だ、居ない相手にひたすら謝り続けていた。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
「…翔ちゃん」
パンッ…!
兄貴は翔の頬をひっぱたいた。
俺は口をあんぐり開けた。
ショック療法とは聞くけど、まさか翔相手にやってしまうなどとは驚いた。
「翔ちゃん、戻っておいで」
頬を叩かれた翔は、暫くの間、放心していた。
そして、翔の口から小さな声が漏れた。
「………は」
兄貴は、優しく囁くような声で名前を呼んだ。
「…翔ちゃん」
すると、翔は勢いよく顔を上げて、兄貴を見つめた。
その目には、涙が溢れていた。
「……はる、春雄っ…!!!!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
76 / 130