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海の底へ沈んでいくようだ。
眠くて、目を閉じた。
このまま、沈んだら楽になる。
なんとなくそう思った。
〈翔ちゃん〉
懐かしい声がした。
何度も名前を呼ばれている気がする。
俺が必要なのか、お前は。
暗い海の中、目を開けると眩しかった。
暖かくて、白い光。
俺は手を伸ばす。
まだ、消えたくない。
名前、名前はなんだ。
そうだ、春みたいな名前だ。
お前にぴったりの名前だよ。
「……は」
目の前にお前の顔があった。
戻れた、良かった。
このまま消えてしまうんじゃないか、不安だった。
「…翔ちゃん」
だんだん、お前の輪郭がぼやけてきた。
涙のせいだと分かっているけど、やっぱり消えそうだ。
名前を呼ばなきゃ、呼ばないと。
「……はる、春雄っ…!!!!」
……違う、お前が俺を必要なんじゃない。
俺こそが、お前の存在を必要としているんだ。
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