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目と目が合う
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「翔ちゃん…、具合悪いの?」
動揺したのがバレたのかもしれない。
顔を見られないように下を向いて、長い前髪で目元を隠した。
それが逆効果だったみたいだ。
「…何でもない」
「こっち見て」
コイツは俺の頬を掌で包み、顔を覗き込んだ。
前髪なんかでは隠しきれない。
互いの息遣いを感じる程の距離に、息を止めた。
顔は向かい合っていたが、目は合わせられなかった。
瞳の奥を覗かれたら、心の奥まで覗かれてしまう気がした。
手で押し退けようとするが、あまり効果は無い。
強い力で以ってしても、微動だにしなかった。
コイツはどうしても俺の顔が見たいようだ。
「…いやっ」
もういやだ。
こんな簡単に触るな。
「顔色は悪くないね」
「……っ」
純粋に人の心配してるのが、余計腹が立つ。
もう少しパーソナルスペースを考えろ…!
「でも、耳が赤いような…」
「離せ…!変態!」
限界値だったので、腹に拳を入れると、コイツは膝を曲げて床に倒れこんだ。
鳩尾にクリーンヒットしたらしい。
苦しそうに呻き声を出していた。
「ゔ…ぁぁ、…つよい…」
「そこでくたばってろ。風呂入ってくる」
「な、なんでおこってるの…」
「自分で考えろ…!」
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