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目と目が合う
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風呂から上がると、カレーの匂いが漂ってきた。
急いで髪を乾かし、リビングへ向かった。
腹が空いていたのもあるが、さっきのことも謝りたかった。
流石にグーパンチは痛かっただろうな。
せめてビンタにしておけば良かった。
そんな事を考えながらリビングに入ると、申し訳なさそうに床に正座をする男がいた。
「翔ちゃん…さっきはごめんなさい」と言うと、深々と土下座をした。
何だか罪悪感を感じた。
変に意識をしてしまう俺が悪いのに。
ていうか、何で俺はコイツを前にするとこんなに挙動不審になってしまうんだ。
「…俺こそ殴ってごめん」
俺が謝ると、顔を上げて目を輝かせた。
「翔ちゃん…!」
許してもいいが、調子に乗せてはいけない。
1つ釘を刺しておかなければ。
「……俺が怒ってるのは、距離近すぎってこと。……なんか、意識しちゃうんだよ」
うわ…。
最後の一言は要らなかった。
「意識しちゃう」とか我ながら気持ち悪いと思う。
でもついポロっと溢れてしまった。
「…なるほど。今度から気をつけるよ」
「あ、ああ」
「意識しちゃう」について言及されなくて良かった。
俺だって自分がよく分からないんだ。
こんなに心拍数が上がったり、汗が異常に分泌されたり。
病気なのか、精神的なものなのか。
もう、本当疲れる。
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