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中学一年生
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幼い頃から僕は、周りの人間を見下していたと思う。
「春雄、入学式の後、3時から家庭教師が来るからね。遊びに行ってはダメよ」
「うん」
父は田舎町の医者、母は元ホステスだった。
母の美貌に惹かれ、父は結婚を申し込んだという。
「市立中学なんか下品な子供が多いから、友達はきちんと選別しなさい。貴方は特別なんだから」
「分かったよ、母さん」
僕が中学受験に失敗してから、母は以前より神経質になった。
勉強の為、部活動なんて許されなかった。
息をするように監視される日々。
それに気付かない僕。
父は仕事で家に帰ってくる事は殆ど無かった。
(母が全て正しい、周りに惑わされるな)
あの頃の僕は本気でそう信じていた。
今なら言える。
母だって間違いもある。
周りに惑わされることだって大切だ。
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