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中学一年生
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放課後、僕は走って多田くんの家へ向かった。
クラスメイトが何か言っていたけど、あまり気にならなかった。
先生から貰った住所を辿りながら、胸を躍らせていた。
(早く…はやく…!!)
坂道を登ったり下りたり。
汗が首筋に流れたのを感じた。
神社の脇道を抜けると、少し古びたアパートが目に入った。
「はぁ…。多分、ここかな…」
お世辞にも綺麗なアパートとは言えない。
手入れされていないせいか、雑草はこれでもかと生い茂ってるし、鉄骨は赤黒く錆び付いてる。
「102号室…、ここか」
インターホンは付いていたけれど壊れている。
深呼吸をし、ドアをノックした。
「…同じクラスの仲原です。多田くんにプリント届けに来ました」
「………」
コンコンコン
反応が無い。
「…いないのかな」
少し残念なのはどうしてだろう。
家に行ったからと言って、必ず会える保証なんて無かったのに。
仕方ない、郵便受けにプリントを…。
「って、……うわ、何だこれ」
郵便受けにはチラシや手紙なんかが隙もなく詰まっていた。
取り出すのを忘れていたにしては、酷すぎる。
プリントなんて入れることができない。
「もしかして、鍵も壊れてたりして…なんてね。あはは」
ガチャ…
「……まじかよ」
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