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年下のライバル
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リレーは体育祭の最後の目玉競技だ。
このときに得点板を一旦全て外し、最終的な結果は結果発表で出す仕組みだ。
二人で得点板を外してから、そのままベランダから観戦することにした。冬樹君の手には日傘が握られ、優雅な雰囲気が漂っている。
「冬樹君は誰を応援する?」
「特にはいません。僕友達がいないもので」
「えぇ、そうなの?」
こんな可愛い子を放っておくなんて見る目がない。それとも、可愛すぎるから友達ができないのか。
「近づいてくる人はみんな僕の容姿目当てだし、僕自身も綴先輩以外に興味が無いので、仕方ないみたいなところあります」
「あぁ、そっか……」
重度の俺オタク(?)が発覚した冬樹君は、特段友達がいないことを気にしていないようだった。
「綴先輩は京先輩を応援するんですよね」
「うん! あ、ほら、今あそこ歩いてる!」
京の鉢巻の色は青。ちょうど結び直しているところで、キリッとしたその顔立ちがまたカッコいい。見惚れている俺の横で、冬樹君は真顔だった。
「京ってかっこいいよね」
同意を求めると、冬樹君はニコリと笑って頷いてくれた。
あぁ、本当に冬樹君は京にも興味が無いらしい。まぁ、俺だけが好きって言うのも悪く無い。
「あ、京先輩はアンカーなんですね」
「本当!?」
冬樹君が指差す方を見ると、列の最後尾に並ぶ京の姿があった。
クラスの人だろうか、誰かと楽しそうに話をしている。
「綴先輩はああいうの見て嫉妬しないんですか?」
「俺は、うーん。ああいう、明らかに友達って感じの人にはしないよ。ただ、冬樹君にはすっごい嫉妬してたけど」
そう言った瞬間冬樹君の目がきらりと輝いた。
「えっ、本当ですか! 嬉しいな!」
ご機嫌にコロコロ笑う姿が可愛らしい。
冬樹君のことを恋愛的な意味で好きなわけではないのだが、その顔は何度見てもキュンとしてしまう。
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