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後ろ向きと君の覚悟
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トイレに直行して、すぐさま鍵を閉めて便器に座り込む。
両手で顔を覆い、俺は自身の中心もしっかりと勃っていることを改めて自覚した。
「人のこと言ってられない……」
指の隙間から確認するそこは立派にその状態だ。
どうやってこれを処理しよう。
いや、わかる、やり方はわかるのだ。
自慰をすればいい。
当たり前のこと。
しかし、俺は自慰の経験が乏しい。もしかしたら、自慰とセックスの回数は大体同じくらいなんじゃないか? と思うくらいしない。
もともと性的欲求が少ないのだと思う。だから、こういうときは特に困る。
相手がいるのだからセックスをすればいいものを、と言われるのはわかっているのだが、自分はやはりそういうことは恥ずかしいと思ってしまう。
ネットで調べたこともあるが、たとえばちょっとエッチなサイトを見てみたり、好きな人のことを考えて自慰するのが良いとかいうあまり役立ちそうにないものだった。
そういうのは、もう自慰のときの動作がわかっての行動だ。
俺は、その……。そのとき手をどんな風に動かしたらいいのかとか、手が止まらなくなりそうな感じが怖いというのに!
熱い中心をそのままにしておくわけにもいかず、とりあえず下半身に身につけているものを脱いでみた。
その擦れる感覚にすら敏感になっている自分が恨めしい。自慰を定期的にしないからこんなになるんだということはわかっている。
俺はおそるおそる自分のモノを掴み、ゆっくりとシゴいた。
熱い。それに、やはりなんだかぎこちなくて自分が情けない。
やはり、京に教えてもらった方がいいのだろうか。絶対に嫌だけど、恥ずかしいけど、きっと、京は教えてくれると思う。
そもそも、こんなことになるならやっぱり京としたほうが良かったかもしれない。あのときは「そんな気分じゃない!」と突っぱねたが、これはどう考えてもそういう気分だ。
悶々と悩んだ挙句、やはり今は自分でやるしかないと腹をくくった。
手で擦って、どうにか熱を冷まそうとする。射精すればきっと収まるだろう。
しかし、次第に目には涙が溜まってきた。
全然気持ちよくないのだ。こんなのただの虚しい行為でしかない。
手を止めたときには、あそこまで昂ぶっていた俺のモノはへなりとしていた。結局先走りで手が汚れただけ。
俺は手を洗ってから、涙で目が赤くなったのが収まるのを待ち部屋に戻った。
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