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ふたり
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顔を横に向け、蒼太がキスをせがむと理人はすぐそれに答えた。理人に教えられた深いキスで、互いに求め合うように貪り合う。蒼太の臀部に理人の滾った雄を感じ、蒼太は嬉しく思った。
「ね、……りひとさん、しよ……」
「でも……、蒼太」
「痛くないし、怖くもないよ。それに、理人さんならわかるでしょ。俺、あんなに……き、気持ちよくなるんだから……もう大丈夫って」
理人にされることを気持ちいいと、本人に伝えたことで蒼太は真っ赤になっていた。恥ずかしくて蒼太は前を向き理人に、顔を見られないようにしたが、耳や項もほんのりと赤くなっていた。
「じゃあ、風呂でたら……いい?」
「ん、いい……」
それからは無言だった。初めてした時からもう4ヶ月は経っているため、蒼太は緊張していた。互いに欲情し、身体を触り合い、時には一方的にぐずぐずになるまで溶かされたことは何度もあるが、それらとはやることが違う。
「髪乾かすから、座って」と言われ、ソファに座る。男の短い髪は直ぐに乾いてしまい、蒼太の心臓はドキドキを通り越し、ドコドコと音を上げていた。
「そう緊張すんなよ、嫌だったら直ぐにやめるから」
「ちがっ、嫌だから、緊張してるんじゃない、……嬉しいから、理人さんと、するの」
理人はたまに思考がネガティブだ。自覚はないが、蒼太が理人との行為を好んでいないかのような言い方をする。もし嫌ならばとっくに嫌だと言っているし、そもそも交際などしていないだろう。蒼太はそれが少し嫌だった。自分の好きという気持ちが相手に伝わってないのかもしれない、と不安になるからだ。だが蒼太は感情を上手く伝えることが難しい性格だったので、なおさら不安に陥る。かと言って素直にはなれないので、せめて理人の要望だけはと、快く受け入れてきたのだった。
「俺、理人さんのこと、すごく、すごく、好きだから」
「蒼太、俺も好きだ、愛してる」
愛してる、そんな愛の言葉を囁かれたことは過去にあっただろうか。聴覚から多幸感がじんわりと広まりその幸福は蒼太を優しく包み込む。
ドライヤーを片付けるのも忘れて寝室に入る。
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