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二人の行き着く場所
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タケルは一瞬驚いたように目を見開くと、ゴクリと喉を鳴らし、無言のまま高支那の氷のような瞳を見つめた。
しばらく風の音だけが耳をかすめる。
そして口を開きかけたタケルの唇をふさぐように、強引に口づけする高支那。
それは激しいディープキスだった。
タケルは息苦しさに抵抗せずにはいられなかった。
だが高支那の口づけは止まない。
両肩を押さえつけられ、体力も消耗していたタケルにはそれを押し退けるだけの力は残っていなかった。
もう息が続かない――そう思った時、高支那の唇がやっと離れる。
二人の視線が絡み合い、一瞬高支那の表情が切なげに揺れた。だがそれも束の間、すぐにいつもの淡々とした高支那の言葉が降ってくる。
「ここは陸の孤島だ。さっき切り離した吊り橋が下界との唯一のつながりだった。もうお前は帰れない」
そしてタケルに反論する猶予も与えないまま、再び高支那の荒々しい口づけが襲う。
タケルには、言いたい事、聞きたい事が山ほどあった。しかしどこかで覚悟をしていた自分もいたことを否定出来ないでいた。
これから何が起ころうと、高支那の側にいるのは自分だけ――
しかし、運命は非情にも二人を…
引き裂く――
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