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12-② 食事会場
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「みのるの部屋じゃダメなのか?」
「実影様直々の指示ですので。」
「俺と一緒にご飯食べようって言ってたのに?」
「一緒に食べることには変わりないですよ。2人きりではないというだけです。」
「はっ、騙したな?」
「騙したのではありません。あくまでイエスを引き出す為の手段です。」
「そんなの屁理屈だぁ。」
俺は桜野組全員が集まる食事会場があまり好きではなかった。
輩共の視線をチラチラと感じて食事に集中できないからだ。
俺が嫌がっているということはもちろん実影も英治もりんも解っている。
それなのに連行するなんてとんだ鬼畜野郎共だぜ。
でも俺は屈しない。
「なら1人でいいじゃん。」
「親睦を深めることも大事ですよ。この世の中自分の味方でいてくれる人の方が少ないんですから。」
「そんなの知らねぇよ。」
「では、今知りましたね。偉いです坊ちゃん。」
「そうやって強引に丸め込もうとするんだよなぁ。大人の汚いとこだ。」
「強引ではないのでそれは違いますね。だって坊ちゃん、ニヤけが抑えられていませんよ?」
「ばっ、ニヤけてねぇし!アホ!マヌケ!ろくでなし!!!」
「事実を述べたまでです。悔しければ早く大人になることですね。あと、罵倒が可愛いので録音してもよろしいでしょうか?実影様にも聴かせてあげたいです。」
「変態か。」
1枚どころか3枚上手の英治には口喧嘩では勝てないみたいだ。
いや、これは屈したんじゃない。わざと負けてやったんだ。子どもに言い負かされるなんて恥でしかないからな。そうだ。うん。
「いーよ今日は行ってやる。でももう次はないからな!絶対だからな!」
「光栄です。私とお隣になりましょうね。坊ちゃん。」
「最後の方聞いてねぇだろ……」
「さっ、もうそろそろ皆集まっている頃でしょう。私共も行きましょう。」
「……あぁ。」
そして英治は先にさっさと歩き出した。
ちゃんと俺がついてくるって分かってて堂々と背中向けてんだなって少しムカついたから追いかけてその背中を一度だけ小突いてやった。
英治は少しビクついただけでガン無視。
俺は全然悪くないからな!
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