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「あの人って…やっぱり花麗はここに居るんだな?!」
「あの人を連れていくの?」
長い黒髪をポニーテールに結い上げ、目と鼻の部分だけを覆うような、木製の天狗の面をつけた少年がそこに立っていた。
「気を付けて。あの人は此処の土地神の贄になりかけている。」
「贄にって…生け贄ってことか? 何でそんなことに……。」
「土地神の力が弱っているから。だけど土地神はこの先の鳥居からは出られない。貴方があの人の手を引いて鳥居の外に出てしまえば、土地神は追っては来られない。」
「そ、そうなのか…?」
「あの人は本殿の中に居る。早くしないと、土地神と同じように鳥居の外に出られなくなる。」
「えっ?! 何だよそれ…。誰だか知らないけどありがとな!!」
そう言って社を目指して駆け上がる。
「花麗!花麗居るのか?!」
今にも朽ち落ちてしまいそうな本殿の戸がガラリと開いた。
「ゆ、優惺?」
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