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ちゃらお君とチーズケーキ(2)
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ケーキ屋によって静の家に着くと恭弥は早速箱からケーキを取り出し皿を出した。
「昼は?」
うきうきとケーキを皿に移す恭弥に静が問うと恭弥は「え?」という顔で振り向いた。
静は届いていたダンボールを開け、中から紅茶の缶を取り出した。
(ケーキで頭いっぱいだったのか)
どうしようと皿に移したチーズケーキを見つめる恭弥を可愛いなと静は見つめる。静としては昼を抜こうがどうだっていいのだ。
「どっちでもいいぞ。何か食べたければ作るし、ケーキが食べたければ食べればいい」
「………ケーキ食べる」
「そうか」
ふっと笑った静が恭弥の頭にぽんと一瞬手を置き、離れていく。静はポットやグラスなどを棚から取り出すと湯を沸かして何やら始めた。
ポットに先程ダンボールから取り出した茶葉を入れ、沸いた湯を注ぐ。蓋をして3分待つ。その間にグラスに氷を入れ、自分の分のアイスコーヒーを冷蔵庫から取り出した。3分経つと紅茶にたっぷりと砂糖を入れ、氷を入れて冷ます。冷めた紅茶を茶こしを使いつつグラスに注ぐ。
「ストレート?ミルク?」
「ミルク」
ミルクを注いでストローをさしてやる。それを恭弥に渡すと何だこれはという顔でグラスと静を交互に見る。
「アイスティー」
「見たらわかるけど…」
(こんなに手際よく作れるなんて知らなかった)
「ホットがよかったか?」
「んーん」
そう答えると恭弥はちゅーちゅーとストローを吸う。
「なにこれ…うま」
「そりゃよかった」
コーヒー片手に微笑む静に恭弥は何となく気恥ずかしくなった。
(あま…)
そう思った。
* * *
恭弥がケーキを食べ終わり、静が後片付けをする。いつも恭弥も手伝おうとするが静は別にいいと言う。
片付けをする静をソファからじぃと見つめる恭弥に気づいている静は考える。
(誘ってんのか?)
なぜそうなると恭弥は思うだろうことを静は考えていた。
(この時間からするなら…)
くいと片方の口端がつり上がった静の顔を見た恭弥はなぜか恐ろしくなってばっと顔を逸らした。そんな恭弥の様子に静の嗜虐心が煽られる。
(狙ってやってないのが才能だよな)
恭弥が聞けばそんな才能いらないと言うだろう。静は手を拭くとそっと恭弥の座るソファに近づく。恭弥は近づいてきた静に気がついて顔を上げた。
「な、なに…」
近づいてくる静から距離を取ろうとソファの端へとじりじり移動する恭弥。追い詰める静。
「きょーや」
甘く間延びした声で静が恭弥を呼ぶ。口元には笑みを称え、目は細められている。傍から見れば優しく微笑んでいるようにも見えるが、恭弥は知っている。その瞳の奥にある嗜虐的な色を。
「きょーや、なんで逃げるの?」
小首を傾げて静が問うた。もう恭弥に逃げ場はない。これ以上移動すればソファから落ちてしまう。
「し、静…おれトイレ行きたい…かも?」
「気のせいじゃない?」
他人の生理現象を"気のせい"で済ませるなど異常だが、恭弥は「ははっ」と乾いた笑いを漏らす他ない。
静はソファに片膝を乗り上げ恭弥の頬にかかる髪を耳にかけてやった。顕になった形のいい耳に付けられたピアスをひとつひとつ指でなぞる。
ゾワゾワとした感覚に襲われる恭弥はぎゅっと目を瞑りぷるぷると震えていた。そんな恭弥の腕を掴みぐいと引っ張るとソファから立たせてそのまま静が抱き上げた。
「ぅ、わっ」
驚いた恭弥が静にしがみつく。静は満足そうにリビングを出て寝室へと向かった。
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