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「お前の玄関怖すぎじゃね。
靴廊下に投げ捨ててあると思ったらケータイ折れてるの落ちてるし」
現れた紘は片手にコンビニ袋を持ちながら苦笑してそう言った
「お前靴、廊下で脱ぐの?」
「な訳ねーだろ」
片付けるの忘れてた。
頭の片隅でそう思いながらも、別に大きな問題でもないのでその話題はさておき紘を自分の隣に呼ぶ。
隣に座ってくれた紘は「ほら」とコンビニ袋に入った何かをくれた
「…何」
「お菓子
初めてお前ん家来たし、何となく買ってきてみた」
「…もらう」
「おー」
隣にある紘の体温に何故か落ち着いた。
寄りかかって、貰ったお菓子のパッケージをまじまじと見る
紘と怜が「コンビニ何売ってた?」とか「はじめまして」と何やら話し始めた。
このふたり性格合うのかな。
でも怜が友達になりたいって言い出すのは珍しくて多少なりともびっくりはした
ぼーっとパッケージを眺めていたらいつの間にか放心していた。
紘に、夜に会うときのように前髪を上げられて、それが離されて額に髪がかかる感覚でハッとした
横にいる紘と目が合う。
「大丈夫か?」
「…あー、おう」
お菓子を袋に戻し、怜を見る
ちら、と見ただけなのに一瞬で目があった
「どうしたの?りっちゃん」
「何でもない」
今日も変わらずにこにこして
「キョロキョロしてたの?可愛いね」
なんて言い出した
よしよし、と撫でられ睨めばなんと抱き上げられた
なんでそうなんだよ。
紘も怜もでかいからムカつく。
軽々と抱き上げやがって。
「あったかいミルク飲む?飲ませてあげるよ」
ぽんぽん、と背中を撫でられるが体を捻ってやめてほしいことを表す
「飲まないの?」
なんの動物の赤ちゃんだと思ってるんだよ。
「俺そろそろ帰るね」
「…え?」
紘を呼んでとか散々言っておきながらもう帰るのかよ
「りっちゃんのこと、とある人に連絡を受けてここに来たんだ。
少しお仕事とかも休んじゃってるみたいって。
紘さんといるとリラックスできるみたいだったから呼んでもらっちゃった。
今さっき、りっちゃんのこと伝えたし、少しお話してごらんね」
…とある人、というのはきっと施設の人だろう。
あぁ、そういう事。
そうなると怜も信じられなくなる
俺のことを邪魔だとしか思っていない施設の人たちと連絡をとっているというのは怖い。
今日だって本当は嫌々来たのかもしれない。
そんなこと無いと分かってるのに、今の弱った心では施設の人と関わっている、それだけで怖くなってしまう対象だった
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