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困惑 side陽
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side陽
せんせーのところに話を聞きに行った日。
怜さんというせんせーの友達も呼んでいいかと聞かれ、正直人数が増えるのは嫌だったけど、そんなこと言えるわけないので1つ返事で了解した
そしてせんせーの家にいた怜さん。
身長が高くて、優しそうな綺麗な人。
せんせーの知り合いはきれいな人が多い。
紘さんも凄くかっこよくて憧れる。
せんせーは綺麗で繊細そうなイメージ。そして怜さんは優しそうで、でもしっかり者なんだろうなって感じ。
外見の予想通り、怜さんは優しかった。
俺の事を“子犬ちゃん”って呼ぶのは不思議だけど、呼ばれ方に対してそこまで意識はしない方なので別に気にならなかった
子犬好きだし。
ちなみに先生は、“りっちゃん”て呼ばれていて可愛いあだ名にほっこりする
そして帰り際、怜さんが俺を駅まで送ってくれると言ったんだけど。
そこで事件は起きたのです。
そう、あれは午後1時頃。
駅のホームに付き、階段を降りていたときのこと。
足を踏み外してしまって、階段から落ちたのだ。
…一段だけ。
そう、一段だけ。
前にいた怜さんが支えてくれたからそれだけで助かった
でも俺は、怜さんの足に怪我をさせてしまった
左足を捻らせてしまったようで少しだけ歩き方に違和感がある
「大丈夫だよ。だからうるうるしないで?」
笑顔を向けてくれたけどもう、申し訳なくて顔が上げられない
「ごめんなさい、痛い…ですよね」
「ううん、痛くないよ。
子犬ちゃんが怪我しなくて良かった」
ふふ。と笑う怜さんは涼し気で痛そうな仕草なんて一切見せない。
でも、捻っているんだから痛いはずだ。
上手く、隠されているだけ。
「あの…家に湿布とか、氷とかあるので、来てください。
歩けますか?おんぶしますよ」
「お家にお邪魔していいの?俺は大丈夫だよ?」
「俺がこのまま帰るのは違うから…大丈夫です。怜さん、来てください」
「そこまで言ってくれるならお邪魔しようかな。
でも本当に大丈夫だからね」
心配で、足をみせてと頼んだけど「ごめんね」と断られてしまった
「本当に大丈夫ですか?」
家に向かいながら歩く中何度も声をかける
「大丈夫。
子犬ちゃんのお家楽しみだなぁ」
正直人を家に招くのは、緊張する。
もしかしたら俺と父親のそういう跡が何かしたらのタイミングで見つかってしまうかもしれないし、最悪父親本人が帰ってくる可能性だってある。
極力家に人を招くことはしなかったが、今回はそう言ってられない
怜さんに怪我をさせてしまったのは他でもない俺なんだから。
「…ここです」
「へぇ!駅から近くていいね」
初めてかも。
人のこと家に入れるの。
「階段上がれますか?2階なんですけど」
「ふふ、大丈夫だよ。子犬ちゃんは心配性だねぇ」
だって痛そうなんだもん。
せめてもと手を貸しながら階段を登る
でも、その手に怜さんの体重がかかってくる事はなかった
そっと、優しく握られているだけ。
鍵を開け、中にはいる
必死に変なものが無いかを確認しながら案内する
ソファに座ってもらって取り敢えず飲みのもを出せば「お家に入れてくれてありがとう。子犬ちゃんあんまりこういうの慣れてないね」と言われた
どういう事?
怜さんを見れば「お家に誰かを入れることってないんでしょ?緊張してたの、見てたらわかるんだ」って。
優しく、せんせーの家にいたときみたいに髪を撫でられた
「子犬ちゃんかわい。」
「可愛いくは無いですー」
言い残して、救急箱を取りに行く
…怜さんの足、酷くなっていませんように。
片手に救急箱を持って戻れば、目があってにこりと微笑まれた
こんなに綺麗で優しい人が家の中にいるというのは不思議な感覚。
だってこの家は、綺麗な人が出入りする場所ではないはずだから。
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