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『仕事モードオン』
「そんな掛け声でオンオフできる訳じゃねーし」
『出来たら逆にすごい』
「だから出来ねぇって」
電話越しにクスクス笑う声。
いやなんで普通に電話楽しんでんだよ
そうは思うものの電話越しに聞こえてくる小さな笑い声に緊張が緩んだのも事実
『でもまぁ、そんなに気負わなくていいと思うけど。
俺に接してくれてるみたいに気楽にいけよ』
そんなこと言ったって…
「気楽にとか…紘にしかできない」
『それはそれで何か嬉しい』
「は?何言ってんの」
ほんとに何考えてんの。
俺はこんなに緊張してるって言うのに。
ムカついたとか、そういう訳じゃない。ただ、言葉が出てこなくて固まってたら『応援してる。そろそろ仕事戻らねぇと』とタイムリミットが来てしまった
「ん。…がんばる」
既に緊張で疲れきってるけど。
『電話ありがとな。嬉しかった
いってらっしゃい』
電話越しにもよく通る低くて綺麗な声
ありがとうとか、嬉しいとか、そんなの今関係ない。
けど、心の何処かがじわりと温かくなる
ケータイを、ぎゅ。と両手で持った
「行ってきます」
『あぁ、じゃあまた』
通話が切れると、座っていたソファから立ち上がり玄関へと向かう
今なら、頑張れそう。…ありがと。
もう一度心の中で『行ってきます』と呟いて家を出た
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