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直ぐに店を出る。
「りッ、凛夢子さんっ!!!」
「え?」
名前を呼ばれて振り向いた彼女は、俺の顔を見るなり一気に顔を緩めた。
「せ、先生ッ!も、もしかして私のことを見かけたから話しかけに…?」
「あー…いや、そうじゃなくて…………」
なんて言おうか。
いきなり『キャリーケースの中を見せてくれ』なんて言われたら誰でも不審がるだろう。
ええい、南がいるかもしれないんだ…!
しかし流石にここは避けたい………
人通りが多すぎる。
俺は近くの公園に凛夢子さんを誘った。
「あの…お話ってなんですか??」
「……単刀直入に言うんですけど、その中見せてもらってもいいですか?」
キャリーケースに指をさした。
あ、やっぱり。
凛夢子さんも驚くよな…………
無理か。
そう思った時だ。
凛夢子さんは嬉しそうに承諾した。
「いいですよ」
「…え?は?いいんですか?」
「ええ!だってキタヤ先生の頼みですもの。
断る理由がありませんよ」
ここまで簡単に応じられると、本当に南がいるのか疑わしくなる。
そう考えているうちに、彼女はさっさとキャリーケースの中を開けた。
中には服や袋等があり、こんなに荷物があれば南は入れないだろう。
本当に申し訳ないことをしてしまった。
「ありがとうございました。もういいですよ。すみませんでした。」
「いいですよ。何か探し物ですか?」
探し物…か。
「まぁ…そんな感じですかね」
「あら。頑張ってくださいね。」
そんな話をしながら、俺たちはここで解散した。
もう一度店に戻ろう。
もしかしたら南がいるかもしれない。
早歩きで、またさっきの店に向かった。
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