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始まりの値段は100円でした5
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目を丸くした瞬きに居たたまれず顔を下に向ける。
うっ……恥ずかしい……。
ど、どうしよう……これどう収集つければ……。
ぐるぐると頭は回るけれど何一つ良い案が浮かばない。
き、消えてしまいたい……。
いっそのこと走って逃げてしまおうかと思い始めた時、手からぬいぐるみが奪われていく。
顔を上げると水色が近くに見えた。
「マジ?いいの?」
あ、やっぱり青空……。
「あ、はい…どうぞ……」
「やった!さんきゅー!」
嬉しそうに見つめる横顔から、そらぬこくんを可愛いと言ったのは本当らしいと分かる。
「あ、でもただで貰うのも悪いよな。」
「いえ、大丈夫です。100円で取れましたし、僕は別にそらぬこくん好きって訳じゃないので。」
「そうなの?」
「クレーンゲームが好きなだけなんです。」
へぇ、と頷きつつも煮え切らない様子。
「でもなぁ…」
「本当に大丈夫ですよ。」
見た目チャラいけど、結構しっかりした不良なんだな。
「あ、そうだ!これやるよ!」
思い立ったように渡されたのは未開封の棒付きキャンディ。
「俺のお気に入り。一本100円だから、等価交換。どう?」
味はそれしかないんだと渡されたのはグレープ味。
「ありがとう…ございます…」
「どーいたしまして。俺、末岡 真葵(スエオカ マキ)、お前は?」
「仁科 遥です…」
これが僕らの青春の始まり……だったらしい。
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