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始まりの値段は100円でした8
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「あ、でもね!ここにも童貞仲間いるんだよ。ね、慧ちゃん?」
白石くんは振り返りながら人一倍仏頂面を下げている男子生徒に声を掛ける。
黒々とした短髪の彼は恐らく末岡くんより身長が高い。
白石くんの問い掛けに口は開かず、黙って頷く。
「慧ちゃん……あ、衣川 慧(キヌガワ ケイ)って言うんだ。僕の幼馴染だよ。歳は1個上の三年生。」
衣川先輩は無言で僕の方へ歩いてくる。
無表情のその威圧って言ったらもう震え上がるぐらいには怖い。
目つき悪いし…お、怒ってるのかな……そりゃそうか。僕みたいな地味でクラスの底辺みたいな奴、嫌悪の対象だよね……。
そう身構えた僕に差し出されたのは右手。
「…………?」
意図が掴めず首を傾げて顔を見上げたけれど、視線の先の表情は変わらず無だ。
「よろしくねって握手だよ。」
見かねて白石くんが助言をくれる。
その言葉にもう一度衣川先輩を見れば、頷きが返ってきた。
恐る恐る重ねた手は大きくて握られると包み込まれてしまう。
「…………よろしく」
ボソッと呟かれた言葉と共に手はすぐに離れていく。
「よろしく、お願いします…」
軽く上がった口角は、もしかして笑ってくれたのかな?
「慧ちゃんもね、童貞天使ちゃんだから安心してね!ピュアピュア仲間だよ!」
て、天使ちゃん……ピュアピュア……白石くんのセンスってよく分からないな。
「衣川の場合ピュアっつーかED、勃起不全じゃん。」
「真夏、そういうデリケートなことは言うべきではないですよ。」
話に横やりを入れてきたのは、残る二人。
この二人髪色は違うけど同じ顔してる……双子なんだ……。
「んだよ、別に良いだろ。本当の事じゃねーか。」
「そうですか。それじゃあ真夏が今年の身体測定で私に身長3ミリ負けたことを悔しがって、毎日牛乳飲んでるってことを言いふらしても構わないと?」
「あー!馬鹿!おまっ、真冬!」
真っ赤な顔と涼しげな顔。
性格は正反対みたい………。
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