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褒美の一日 BASARA編~二次創作戦国BASARA半兵衛/重門
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天界では大人しくしていたが、本心は悶々としていた。
胸の痛みも息苦しさも消えたから、すぐさま戻って秀吉の力になりたかったのだ。
天界の門番の油断を盗み見て、長い階段を下ろうとしたら、天界の住人に止められたが、
健康を回復したことだし、一日だけ、行ってきていいですよ
と言われた。
なんとありがたい。
地上へ!
秀吉と二人で築いた大坂城へ!
だが…
何ということだろう。
大坂城は跡形もなくなっていた。
***
安土城も壮麗だったが今はない。
それと全く同じように、大坂城もなくなっていた。
どうなったのだ。
秀吉は?
三成は?
この国を手にしたのか?
できなかったのか?
これでは何もわからない!
そうだ。
前田の風来坊…
きゃつなら何かを知っているかもしれない。
そう思って彼を一心に思ったがつと、目の前に現れたのは四十絡みの侍だった。
顔立ちに、覚えがあるが…
誰だ?
相手の方が私を見知っていた。
ち…父上…
父…?
えええええ!?
おそるおそる問うてしまう。
左…京か…?
はい。
おなつかしうございます!
しばし話に明け暮れた。
豊臣には仕えたけれど、引き立ててくれたのは徳川家だったこと。
それでも関ヶ原は西軍に与したこと。
西軍は結局必死の戦いをする者は少なく、黒田父子などは早々に、豊臣家に見切りをつけてしまった。
松寿こと長政は最初から東軍につき、官兵衛殿は石田殿と揉めた勢いで、豊臣と距離を置いたらしい…
それでも官兵衛は壮健なのか。
いえ。
数年前に身罷られましてございます。
ああ、もうみな居ぬのか。
豊臣の為に身を尽くしたのは真田家の弟(てい)と後藤又兵衛のみとは。
結局黒官は、秀吉の役には立たなかったのだ。
無情だな。
そう思ったとき、身内を風が抜けた。
身内に再び病が戻るのを感じた。
生者でいて、何になるのか。
今はもう、守るものとて…ないのだ…
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