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3、出逢罠
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「〜♪」
そっと鼻歌を辞める。
(これからどうしよう…)
我に返り現実を見る。
今自分は人間界の森の奥にいる。
色んな事情、同じ天使の仲間たちによって人間界へ逃がされた。
天界にいた時の自分はきっと破滅の天使の名称がぴったりな程ボロボロだった。
そんな僕を心配した仲間が相談に乗ってくれて僕はこうして人間界にいる。
仲間には感謝してもしきれない。
けど、人間界に来たからと言ってする事もないので最近はずっと森で眠っては起きて探索しての繰り返しである。
(皆元気かな…)
天界にまた戻るには神様の力を借りなければならない。
人間界へ行くに、神様の力を借りるための許可が必要である。
そのまたもしかり、展開へ戻る時も神様の力を借りる許可がいる。
神様には僕が人間界へ降り立つ許可は出ているが天界に戻るにはまた神様の許可が必要になる。
今はまだ神様からなんの示しもないので戻りようがない。
(うーん…考えてもどうしようもないなぁ…)
見た目が真っ黒のため、人間に近づこうにも堕天使と間違えられるかもしれない。
そんなことがあれば堕天使狩りの一族に狩られかねない。
(噂には聞いているけど、堕天使狩りの一族ってどんなかんじなんだろうなぁ…)
なんて呑気に考える。
だからこそ、近づいてきた気配に気づくのが遅れた。
「っ!?」
気配を感じ取り逃げようとする。
ばっと後ろへ下がろうとするがそこにも気配を感じた。
ぐっと体を捻り左側に避けようとした。
しかし、そちら側にも気配が現れる。
(な、なに?!)
また体を捻り右側に方向転換する。
しかし、そこは罠だった。
「あっ、しまっ…!」
気づいた時にはもう遅く、呪符で形成された蜘蛛の糸のようなものに絡め取られる。
「っ!」
逃げようとするが体をよじればよじるほど、絡める力が強くなる。
「なんだコイツ?」
「何か様子が違うようですね。」
「玲桜にぃ、そんな訳ないよ、だって羽根も黒いよ?」
どうやら3人いるらしい。
そちらに目を向ける。
「あのっ、と、解いて、くだ、さい…」
もう嫌な予感しかしない。
「はぁ?何言ってんのさ!堕天使を逃す訳ないでしょ?」
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