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5、独り
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しばらくの間担がれていたがその足が止まった。
「美咲桜、おつかれ。」
少年の肩から降ろされる。
目の前にはとても大きな屋敷が佇んでいた。
所々つたが這っているが風情のある綺麗な外見だった。
森は抜けていないはずなのでおそらくここは森の中に建っているのだろう。
「地下室へ連れてこい。」
先を歩いていた金髪の男がこちらに声を掛ける。
「はいはーい」
また少年に担がれる。
後ろから茶髪の青年も付いてくる。
大きな門とドアを抜けると、大広間が広がっていた。
左右に広がる廊下があり、中央には2階に繋がる大きな階段が伸びていた。
階段の壁には女性の描かれた大きな絵画が飾ってある。
天井には大きなシャンデリアが煌めいており、森の中を連想させないような豪華な内装だった。
(すごい…っ!)
初めて見るものにドキドキしているが、今自分が置かれている状況はそんなに呑気なものでもない。
誤解されたままここに連れてこられているので誤解を解いて解放してもらわなければ…
しかし、話そうにも口には糸が這われているので話せない。
そんなことを思っていると大きな階段の裏側に来た。
階段の裏には地下へと繋がる階段がある。
少年は僕を担ぎながら慎重に階段をおりていく。
階段を降りるごとに薄暗くなっていく。
(ど、どうしたらいいのかな…っ)
嘆いたところで現状は変わらないので大人しくしていると、地下に降りてすぐの部屋に通される。
中は薄暗くてよく見えない。
なんだろうとキョロキョロしていると、いきなり明かりがついた。
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