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暗闇の中で
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真っ暗な世界で佇む。
頭の中では、康介の言葉が何度も反響する。
《気持ち悪い》
何度も何度も。
康介の顔で、声で。
聞きたくない、耳を塞ぎたい。
でも、手は動かなくて。
《気持ち悪い》
嫌だ。
《気持ち悪い》
聞きたくない。
《気持ち悪い》
やめてよ。
《気持ち悪い》
顔を見ないで。
《気持ち悪い》
康介ッ!!!
もう、やめてよ。
……康介。
わかったから、わかったからさ。
もう、関わら無いって決めたからさ。
一人で居るから。迷惑かけないから。
頭に浮かぶ康介の顔が黒いシミで埋まっていく。
光なんてない。
そう、無いはずなんだ。
《ゆーちゃん》
けー……ちゃん……。
《ゆーちゃん》
でも、やっぱりけーちゃんは話しかけるんだ。
光なんだね。
でも、遅いよな。
《バイバイ》
段々と遠のいていくお前の背中。
手を伸ばしても届かない。
自ら望んだ事なのに。
もう、傷つきたく無いのに。
《似合ってる》
そう言ったから。
言ってくれたから。
期待しちゃうんだ。
なぁ、もうちょっと期待してもいいのかな。
もう、手遅れかもしれないけど。
小さくなっていく背中に手を伸ばす事を諦めかけた時
《ゆーちゃん、大丈夫だから》
手を握られた感覚と
眩しい光が舞い込んで来た。
多分
それは
新しい光___……
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