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知られて、しまった。
智明兄ちゃんに…
よりにもよって大好きな人に…
僕の最も汚らわしい姿を見られてしまった…
少しだけ、少しだけその姿を見られるだけでよかったのに、
他には何もいらなかったのに。
話なんてできなくてもいい、存在さえ知られなくてもいい、
遠くから、大好き人の姿を見られればそれでよかったのに…
10年ぶりくらいに真正面で見た智明兄ちゃんの顔は、
昔と変わらずとてもきれいで、
切れ長の恰好いい目で、蔑んだように僕を見つめていた。
その視線が目の奥にこびり付いて離れない。
大好きな、いつも遠くから見ていた顔が目の前にあって、
僕の汚らわしい存在を嫌悪するような視線で
「淫乱」
と、そう言った。
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