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僕の帰る家(中)
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僕が目を覚ましてから1ヶ月が経った。
相変わらず月日が経つのは早いもので、誠一さんとの同居生活にも慣れてきたところだ。
「お疲れ様。今日も遅かったんだね」
夏休み前ということもあり、毎度成績をつける期間は残業を強いられる。
先に帰宅していた誠一さんは夕飯の準備をしていて、それを横目にスーツを脱ぐ。
「うん。慎重に成績をつけないと、特に3年生は受験に響くから」
「そうか。仕事熱心な優希も好きだけど、あまり無理しないようにね」
そう気遣ってくれる彼は、僕の好物であるチキンカツを運んでくれた。
「チキンカツ…!美味そう」
誠一さんは料理が上手い。
一品一品が丁寧に作られていて、サラダでさえも手が加わっているように感じる。
「あとこれ。残業がんばった君に」
そう言って差し出してきたのは透明な炭酸水のような中にミントが入ったカクテルグラス。
「モヒート!」
「君はさっぱりしたお酒が好きなんだよね。あまり強い方ではないからこういうカクテル系が好み」
「よく知ってるね」
「もちろん。君の恋人だからね。元、だけど」
誠一さんは僕のことを気遣って元の関係に戻ろうとしない。
未だに誠一さんのことはよく思い出せなくて自分でも恋愛感情はわからない。
けれど誠一さんと一緒にいると安心するし、思い出したいと思う。
きっと記憶をなくす前の僕は誠一さんを愛し、誠一さんに愛され幸せだったんだと思う。
今の僕にはこの距離感に助かっていても誠一さんはどうなんだろう。
元恋人だなんて寂しくないのかな。
記憶をなくす前も今も、僕は僕で恋人だった頃と同じ人間なのに。
そう思うと胸が締め付けられるように痛んだ。
「元じゃないでしょ。今の僕も記憶がないだけで以前の僕と同じだよ」
「そうだね、君は君でなにも変わってない」
「そう、だから…」
「早く食べないと冷めちゃうよ」
「…うん」
うまく言葉が出てこない僕を察して話題を逸らしてくれる。
こんな素敵な恋人がいるのに、どうして僕は飛び降り自殺なんかしようとしたんだろうか。
きっと理由はちっぽけなことなんだろう。
「美味しい」
「よかった。おかわりもあるからたくさん食べてね」
あぁ、やっぱりこの人と一緒にいると落ち着くし安心する。
僕はこの人とまた恋人に戻りたいと思ってる。
「誠一さんと僕は恋人同士だったんだよね」
「そうだよ」
「僕、その時の気持ちは思い出せないけど、今誠一さんのことが好きだって思ってる」
「優希…?」
「だから…もっと満たされたくて。誠一さんからの愛がほしい」
「優希…」
誠一さんは立ち上がり、僕の元へ来ると僕に手を伸ばす。
「それは…そういう意味と受け取っていいのかな」
「…そういう意味で言ってる」
「あぁもう。君は本当に変わらないよ。俺のことを覚えていなくてもどんな君でも可愛い、愛してるよ優希」
「ん…、誠一さん…」
誠一さんの手が僕の頬を包み、触れるだけのキスを落とす。
「夕飯の続きは後でもいい?」
「…うん」
誠一さんは僕を抱き上げ、寝室へ連れていく。
リビングの光が差し込む薄暗い部屋で、ベッドへ僕を優しく下ろすと誠一さんが僕の上に覆いかぶさった。
「誠一さん…」
「大丈夫、優しくする」
不安が顔に出ていたのか誠一さんは僕の髪を撫で、優しくキスをする。
それは次第に激しさを増し、室内は吐息と水音だけが聞こえる。
「…は、っ誠一さん、ん…っ」
「優希…」
キスをしながら慣れた手つきで僕のシャツとズボンを脱がし、乳首を指で撫でられる。
「ぁ…っんぅ、」
「感じ方も変わらないのかな。優希は乳首を弄られるのが好きだったよね」
「ぁ、ぁっ、ん」
きっと何回もこうしてきたんだろう。
自分より彼の方が僕の体を知っているようで、恥ずかしさと同時に愛おしさが蘇るようだ。
誠一さんは僕のもう一方の乳首に吸い付き、舌で転がす。
「んん、っふ、ぁ…んっ」
熱く溶けるような愛撫に心動かされ、理性なんてものがなくなっていく。
「誠一、さん…っはぁ、そこばっか…やだ…」
「久しぶりだからかな。もう下も硬くなって下着を濡らしてるね」
「やだ、ぁ、そういうの、言わないで、っ」
「かわいいよ、今までは毎日のようにしてたからね…節操なしな君がここまで我慢したんだ。たくさん気持ちよくさせてあげないとね」
「…っ、あっあ、ぅっ、はぁっ、そこ、急に、触っ…」
下着をずらして誠一さんの手が僕のそれを優しく握り込むと、気持ち良さと暖かさに腰が自然と揺れる。
「腰が揺れてるよ、扱いてほしい?それとも舐めてほしい?」
悪戯っぽく言葉にしながら、誠一さんの赤い舌が僕のそれの先端を舐める。
その感触に僕の腰はびくんと揺れた。
「ふふ、舐めてほしいのかな。久しぶりだっていうのに本当に君は淫乱だね」
「っ、や、恥ずかしい…きもちいの、したい…してほしい、っ」
「わかった、舐めてあげる」
彼の舌が裏筋に沿って根本から先端へ舐めあげる。
分厚くて熱を持った舌の感触に溶けそうになりながら快感を感じていると、彼の口が僕のそれを咥え込んだ。
「ぁ、あ、はぁ、きもち、んっ」
ぐちゅぐちゅと淫らな音を立てながら唇で扱かれ、脳内までもがふやけそうな感覚に溺れる。
咥え込んだまま熱い舌で先端をぐりぐりと舐められれば、一気に射精感が募る。
「ま、はぁ、あっぁ、や、ば…イ、っちゃ、イきそ…っ」
「いいよ、出して」
「っ、あ、でる…で、あっ、あぁっ、んっんんんっ」
腰をしならせ、彼の口内に押し付けるように射精する。
そういえば、1ヶ月もの間してなかったから…意識が、遠く…なって…。
「…優希?」
「きもち、よかった………」
「うん、ゆっくりお休み」
そのまま僕は意識を手放してしまった。
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