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暮雨
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暗い部屋の中。
太い腕がぼくの髪の毛を振り回す。
痛いのだろうか。
もう、助けを求めることも。
愛されることを望むことも
全て
疲れてしまった。
なるようになればいい。
それだけ考えて時をすごすと、
嵐は過ぎ去っていくから。
扉の閉じる音がして、静寂が訪れる。
ぼくはこの時間が唯一の救いだった。
誰もいない。
僕を憐れむ目で見るものも。
ぼくを蔑む目で見るものも。
誰もいないから。
しばらくぼーっとしていると、瞼が重くなってきた。
うとうとと、微睡みの世界に浸る。
どうせなら、このまま目が覚めなければ。
暖かい夢の世界の中で
また、
昔のような幸せを味わえればいいのに。
気がつけば、意識を手放していた。
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