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血まみれ先生、家に帰る【2】
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血まみれ先生は大学の玄関口で立ち止まり、鞄から日傘を取り出した。
傘を広げ、軽い足取りで大通りに向かって歩く。
彼は大通りの色鮮やかな店には目もくれず、ある細い路地へと入る。その路地を少し進むと、レトロなランプに吊り下げられた小さな看板が見えてきた。
木製の古い扉をゆっくり開くと、薄暗い照明の下で西洋人形や骨董品が笑って出迎えてくれた。
「やぁ、いらっしゃい」
様々なアンティークに囲まれたカウンターの奥で、煙草をふかしながら店主が声を上げた。亀の姿をした店主は、分厚いレンズの片眼鏡をかけている。
「どうも。お久しぶりです。連絡があったので来ましたよ」
「そうです、そうです。ご注文の品が完成したんでね」
そう言って店主は黒い箱を棚から取り出した。
血まみれ先生はにっこりと笑うと、懐から出した封筒を店主に渡す。
「はい、毎度ありがとうございます。きっかり1万リード頂きました」
「…これは素晴らしい逸品ですね」
金と引き換えに手に入れた箱の中身を見た血まみれ先生は目を輝かせた。箱の中には、真っ赤な首輪が入っていた。
光沢のある革で出来た首輪で、留め金は金色である。
「サイズもピッタリだと思いますよ。にしても、前にお作りしてからそんなに時間は経っていませんけど、また“噛みちぎられた”んですか」
「えぇ。全く、半年も躾をし続けているのですが、なかなか折れなくてね」
「…先生、楽しそうですね」
帰ろうと背を向けた血まみれ先生に、店主は笑って言った。血まみれ先生は軽く振り返り、会釈をして店を出ていった。
「…先生の所のペットが半年ももつなんて、珍しいこともあるもんですねぇ」
店主は煙草の煙を吐きながら、頬杖をついた。
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