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彷徨うもの 63
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「あ……れ? 」
「どうした? セパ 」
そろそろと指差した先には、あたりをキョロキョロと見回して大広間から出て行こうとするアキラの姿があった。
「おやおや…… 」
ケプリは暫し考える。
そして蟲の言葉で何やら呟くと、どこからともなく現れた小型のスカラベに、一言二言命令し、スカラベは来た時と同じように素早く居なくなった。
「一応監視は付けたが……
鰐王殿の気苦労が知れるわ 」
セパがクスリと笑う。
「天女さま…… 」
据わりきった目で見つめてくるアペデマクの、ギリギリと締めあげてくる手に手首の骨が軋む。
「どうして僕より先に……っ……
あいつを選んだの? 」
返事を待つのも惜しいと、ふたたび重ねられた唇。
がむしゃらに押しつけられ、乱暴に吸いついてくる……
アキラ一筋のピュア過ぎるアペデマクの純情……
だが、一旦それが悋気の焔に焼かれ、凶暴な本質が姿を現しているアペデマクの頭のなかは獣の本能のみに支配されつつあって……
始まりと同様、荒々しく終わった口づけののち、アキラに一言も発させずにその大きな手で口を塞いで、軽々と小脇に抱えてアキラの部屋へ入っていった。
そのまま居間を通り抜け、奥の間へと入っていく。
以前、何度も訪れた事のある鰐館でのアキラの部屋。
天井から垂れ下がる薄布を掻きわけ、引き裂いて一直線に褥へと向かう。
褥に降ろす手つきは粗暴なものではなく、むしろ恭しさを感じさせるものだった。
そこに油断が生まれる。
アペデマクがアキラの手の甲に口づけようとその身体から手が離れた瞬間、一瞬の隙をついて逃げだそうと褥から離れ、扉に向かおうとしたアキラの行動は火に油を注ぐ結果となってしまった。
飛びつくようにしてアキラを捕らえたアペデマクは、そのまま床に押し倒し覆い被さった。
両手を拘束し、組み敷く。
恐怖で声の出ないアキラの衣をその爪で裂いていくアペデマクの凄みのある笑みに……涙が溢れてきた。
「天女さま……
ああ……夢にまで見たこの瞬間……
お願いだから拒絶しないで!」
下腹部全体を、少しざらつく舌で舐め回されている。
アペデマクはここまで一切性的な手ほどきを受けていない。
己の伴侶たるアキラ以外の雌と関わりを持ちたく無かったから……それほど彼はアキラの事を愛していた。
それゆえネフェルテムとの事は……
我慢の限界だった。
アペデマクが自身に課していた枷は木っ端微塵に弾け飛び、一刻も早く “ 夫 ”になることしか考えられない……
白い肌に傷ひとつつけずに、器用に衣を引き裂いたアペデマクは今、アキラの全身をその分厚い舌で舐め回していた。
床の上を転がしながら余すこと無く味わっている。
特に下腹は唾液が滴るほど念入りに嘗めた。
いくら経験が無いとはいえ、嘗めほぐしてやらないと自身を受け容れられない事くらいはわかっている。
震えながらも逃げ出す素振りを見せなくなったアキラの蕾をふやけるかと思うほど嘗めた。
「……アペ…… 」
その声は甘美な誘いの呪文に聞こえた……
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