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「…っふ、…は」
昼休みの部室。
有坂にめちゃくちゃ長いキスをされて、頭がぼーっと霞む。
気持ちよくて堪らない。
無意識に首に手を回すと、応えるようにキスも深くなる。
「っぷは…い、息が出来ない」
「まだ慣れないか」
「…うん。でも気持ちいい」
素直にそう言ったら、有坂の手が焦ったように俺の身体をかき抱く。
そのまま耳に吸い付かれて、再び頭が蕩けていく。
あれ以来俺たちの関係は少し変わって、寂しいと強請ると有坂は構わず俺に触れてキスをしてくるようになった。
有坂に可愛がられれば可愛がられるほど腰砕けになるような甘さを知って、抜け出せなくなってしまいそうだ。
「…っあ、そこは――」
「硬くなっている。キスで興奮したか?」
「そ、そういうこと言うなって…っ」
有坂に快感を教えてもらった身体が、いとも簡単に反応してしまう。
ズボンの上からすっかり勃ち上がったソレを撫でられてピクリと反応すると、有坂はふと部屋の時計に目を遣った。
「…ひ、昼休み終わっちゃう?」
「大丈夫だ。結城なら飯を食う時間もある」
どういう意味だコラ。
有坂はそう言って俺のズボンのベルトに手を掛ける。
部室のロッカーに押し付けられながら、有坂の手が直に俺のソレを包み込む。
もう何度かした行為だが、人に触られる感覚はどうしても慣れない。
堪らずギュッと目を瞑ると、有坂は俺の唇を再びキスで塞いだ。
入り込んできた舌が好き勝手に口内を蹂躙し、舌を絡め取られる気持ちよさに酷く翻弄されてしまう。
同時に有坂の手が俺のモノを緩く扱いて、親指で先端の割れ目を弄られる。
身体がカッと熱くなった。
「――っん、それ…っやぁ…」
敏感な部分を指の腹でじっくりと撫でられると、凄まじい快感が込み上げてくる。
ビクリとして身体を捩ったが、構わず何度もそこを親指で弄られてしまう。
今は学校の部室でしかも昼休みで、いつ誰が来るかも分からない場所で有坂にヤバいことをされている。
今ドアを開けられたらマジで色々と終わりなのに、身体はどんどん昂っていく。
込み上げてくる快感には抗えず、有坂にされるまま一気に頭が白んだ。
「――っふぁ…ッ」
ビクリと背筋がしなり、あっけなく有坂の手の中にイってしまった。
気怠い余韻に襲われながら、相変わらず全く持たなかったことに自分でも驚いてしまう。
肩で呼吸をしながら目の前の顔を見上げると、有坂もちょっと驚いた顔をしていた。
しかもなぜか若干不満そうな顔もしてる。
なんでだ。
「…まだ舐めていない」
コイツは真顔で何言ってんだ。
有坂はすぐに後始末をしてくれたが、でもまた気持ちよくなったのは俺だけだった。
昨日次は最後までするって啖呵切ったばっかなのに、このままじゃダメだ。
「…あ、有坂もしてやる」
思い切ってそう言ったら、顔がぶわっと熱くなる。
人のモノとか触ったことないからそりゃ抵抗感はあるけど、でも有坂のだったら出来る気がする。
有坂にされたのと、同じことを俺もしてやればいい。
とはいえ初めてのことすぎてちょっと戸惑っていたら、伸びてきた手に髪を優しく撫でられた。
「気持ちは嬉しいが俺はいい。昼休みが終わってしまう」
「えっ」
「また今度時間がある時にさせてくれ」
そう言って有坂は俺の瞼に口付ける。
有坂の優しさにトクリと心臓が跳ねて、ぼんやりとその瞳に魅入ってしまう。
やっぱり有坂とハルヤンは全然違う。
イッた気怠さで弁当を食いながらウトウトしていると、カクンと首が落ちて箸がテーブルの上に転がった。
有坂がクスリと笑って箸を拾うと、代わりに俺の口の中に卵焼きを運んでくれる。
されるがままモグモグしてたが、やばい。
めちゃくちゃ眠い。
有坂に最後までされると決まって眠くなる。
人にされるのはめちゃくちゃ気持ちよくて体力使うのもあるけど、有坂は気怠いところにいっぱい甘やかしてくれるから余計に眠くなる。
結局昼休みのほとんどを部室の机で寝て過ごして、予鈴とともにいつの間にか外で練習していたらしい有坂に起こされた。
五時間目も寝るコースだと思って寝てたのに、俺に気遣えない数学教師に叩き起こされて仕方なくウトウトしたままハルヤンとバイト先へ向かう。
「――で、ここで寝るんだ」
「…え?」
客もいないしじいちゃんマスターも裏にいるし、椅子に座って寝てたらハルヤンに小突かれた。
ふわあっと欠伸しながらカウンターに頬杖をつく。
「だって誰もいねーじゃん。俺とハルヤンだけだし」
「そうだけど始めたばっかのバイト先でいきなり寝るとかいい根性してんね」
「ハルヤンだってずっと誰かと電話してるだろ」
たいしてやってること変わんねーはずだ。
というかこの喫茶店こんなんで人雇って大丈夫かよ。
「まあまあ、これでも数年前は繁盛してたらしいけどね」
「へー」
「つーかマッスーって接客できんの?」
「出来るに決まってんだろ」
「どう見ても接客される側じゃなくて?」
失礼な奴だな。
じとっと睨んでたらカランとベルの音がして扉が開く。
見れば数人のOLらしいお姉さんが入り込んできていて、どうやら初見らしくキョロキョロしている。
「しゃーせー」
やる気のないコンビニ店員みたいな声出したハルヤンを引き留めて、先に前に行ってやる。
俺を視界に入れた途端、女子が当たり前のようにきゃあっと沸き立つ。
いつもだったら無視だが、ここはふわりと笑顔を作ってやる。
接客の基本は笑顔と姿勢だ。
「遠いところからようこそおいで下さいました。どうぞごゆっくりなさって下さい」
丁寧かつ落ち着いた口調でそう言ってから荷物を持ってやって、日当たりのいい窓際の席へと通す。
椅子を引いて座らせてからメニューを手渡して、ぽーっと俺を見つめる視線にもう一度微笑んでから、ハルヤンのところへどや顔で戻ってやった。
「…いや予想外にちゃんと出来ててびっくりだけどさ、なんで若干旅館風なの」
「だってこれしか知らねーもん」
有坂母に叩き込まれた接客術は、ちゃんと俺の中で生きている。
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