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カラフルな世界
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海の底に沈んでいく感覚になることが、最近よく起こるようになった。
もがくことすら出来ず、助けを求める声は泡となって消えていく。
……苦しい、誰か、助けて。
真っ暗闇の中、ひとりぼっちで。
突然、微かな光が俺を照らした。精一杯手を伸ばして、掴もうとする。
届け、届け、俺の想い。
ぐんぐんと身体が上にあがり、光はすぐそこ。
掴もうと手を握れば、ただ水の感触がしただけだった。
それを感触を最後に、俺は意識を手放してしまった。
「……おい、大丈夫か?」
「ん……うん?」
目を開けてみれば、いつもの日常が広がっていた。
ああ、そっか。俺、また悪夢にうなされていたんだ。
「ここは大丈夫やぞ、お前を沈める海なんてないから」
「……そうだな」
ベッドから起き上がると、いつもの顔ぶれが視界に入ってきた。
緑色と、赤色と、金色と、紫色。
「おはよ」
青いニット帽を被り、彼らに挨拶をした。
カラフルで、夢いっぱいの世界。
これが、俺の生きている世界だ。
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