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地下牢 1日目
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朝、と言っても、地下牢に日差しが入ることはない。
牢のなかに入ってきた伊織が黒の前にコップを置く。
「おーい、おきろ?おきろー。」
そう言いながら、黒のほっぺを軽く叩く。
黒は小さく唸りながら起きた。
「はい、水。」
「………届かないんですけど…」
「んー?…あぁ、そっか。飲みたい?」
「ください」
掠れた声で返事をする。
あのあと、夜中と思われる時間に起きた黒は、空腹により、胃がムカムカしていた。
せめて、水だけでも飲みたい。そう思う度、お腹が空いていることを強く意識してしまう。
「………みず…」
「白は酷いね。絶食に慣れてない人にとって、2日も食べれないのは地獄だ。」
「……みず…」
「まぁ、拷問だから、しょうがないんだけど。」
「みず…」
「ははっ、そればっかじゃん。まぁいいや。
白から伝言。」
黒は急に顔を上げた。どこか期待のある目で伊織を見る。
「一つ情報を吐けば、水を飲ませる。もし吐かなかったら、俺がいじめていいんだって。」
その言葉に、黒の目から光が無くなる。本当に白は俺に興味を無くしたんだ。受け止めたくない現実が、目の前に無理やり突きつけられた気分だった。
「ねぇ、黒。どっちがいい?」
楽しそうにニヤつきながら伊織は選択を迫った。
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