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ヤキモチ合戦?
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「オレ、βだからね。近衛家に居られなかったんだ」
苦笑気味に紡がれる幸理の言葉。
また、傷つけてしまったのかと、申し訳無くなる。
「ごめ、んなさ…」
「昔の話だから」
幸理は、スッキリしたような爽やかな笑みを見せる。
再び、食事を再開しながら、幸理は言葉を繋いだ。
「親父はオレに帰ってこいって言うんだけど、やっぱり家は賢理に継がせたい」
幸理の瞳が、九良を映す。
「僻みでも何でもなく、βのオレには限界がある」
口端についたケチャップを親指で拭いながら、九良と話す幸理。
親指で口許を拭う姿に、色気が漂う。
俺は、思わず、その幸理の口許を凝視していた。
「…っ?」
不意に、顎を掴まれた。
隣から伸びてきた九良の手が、俺の顔を自分へと向けさせる。
「見惚れてんじゃねぇよ」
腹立たしそうに放たれる声に、九良に顎を掴まれたまま首を傾げた。
「幸理の口、ガン見してたろうが?」
叱るように放たれた言葉に、九良の舌が、口端から覗き、自身の唇を舐め上げた。
異常なエロさを発揮する九良に、思わず瞳が游ぐ。
「ぅ………ゎっ」
じわじわと頬が熱くなる。
するりと寄ってきた九良の顔が、耳許へと辿り着く。
「他の男に見惚れんじゃねぇよ。お仕置きするぞ?」
ぼそりと低く小さな声で呟かれた言葉が、妙ないやらしさを纏う。
ヤバい、ヤバいってっ。
身体が熱くなってくる。
幸理に感じた色気とは別の蠱惑が、背筋を駆けていく。
ふうっと、あからさまな幸理の溜め息が耳に届く。
飛びそうになっていた意識が、一気に現実に引き戻された。
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