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聞いてないのでは意味がない
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「……だから、私はここから出ないの。妃羅が来たときに、会えなかったら最悪でしょ?」
ははっと、明るく笑う私に、九良は瞳を細めた。
「お前はそれでいいのかよ? 力尽くでも…、番にして傍に置けば……っ」
「いいもなんもないよ」
九良の言葉を遮るように、口を開いた。
ぐらぐらと揺れる。
今すぐにでも、走って、妃羅に会いに行きたい。
妃羅の話をすれば、自ずと、恋しくなる、会いたくなる。
……でも。
「あんな窶れきった姿見たら、何も出来ないよ。私はあのコが穏やかに過ごせてるならそれでいいよ」
欲求を抑え込み、膝の上にいる想汰の肩に顔を埋め、深く息つく。
「男前だなぁ」
感心するように放たれた九良の言葉に、ははっと笑った。
「女だけどね」
顔を上げ、にたりとした笑みを見せれば、ふっと小さく笑われた。
「そろそろ返してくんねぇ?」
首を傾げた九良の視線は、私の膝の上にいる想汰を見やる。
「仕方ないか……」
脇の下に手を入れれば、想汰は、はっとしたように立ち上がった。
長い話しに、半分、寝ぼけ眼だ。
くるりと踵を返した想汰は、正面に座る九良の隣に寄り、ぽすんっと腰を下ろした。
そのまま、両手を天井へと向け、身体を伸ばす。
「んーっ」
「…あんた聞いてた?」
想汰の身を案じて、話した筈なのに、当の本人が聞いてないのでは意味がない。
私の言葉に、想汰は、へらっと小さく誤魔化しの笑みを浮かべた。
「まったく……」
呆れながら、スマートフォンを操作した。
妃羅を助け出した数日後に、帝斗から送られてきた映像を流す。
そこからは、悲鳴と喘ぎが入り混じった、何とも耳障りな音が響いてくる。
天井から垂れ下がる鎖に両手を吊り上げられ、裸体で後から犯されている宇波の姿が映し出されている。
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