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2日目
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「………い。…おい」
「……んー……」
ピヨピヨと何かの鳥が鳴く朝。
僕は誰かにかなり乱暴に起こされた。男っぽい声だから…親父かな。
眠いので唸るだけで無視していたら、舌打ちと共に強烈なキックが飛んできた。
「ぅぐっ!?」
勢い余って僕の体はベッドから落ち、床に叩きつけられた。…最悪の朝だ。
キックの主に文句を言おうとそちらを見たところで僕は固まった。
「う、嘘だろ………」
「……んだよ、指差すんじゃねぇよ」
そこに居たのはウサギ。Tシャツを着たウサギ。昨日のウサギだ!!
「ミ、ミッ●ィー!!!」
「あ゛?あんまり訳わかんねぇ事言ってると吹っ飛ばすぞ」
しかも不良だ!怖い!
とりあえず落ち着こう。僕とした事が取り乱してしまった。
辺りを見回すと、鏡に映ったあの部屋その物で、どうやら鏡の向こう側に来てしまったようだ。
「不法侵入だぞ」
「それは謝るよ……けどな、僕も帰る方法がわからないんだ」
冷静に言えば伝わるはず。そう信じて話しかけた。
すると、ウサギは少し考えるような仕草をした。
「お前はあっちから来たのか」
「どうやらそうみたいだ」
ウサギはふぅ、と溜め息をついて立ち上がり、どこかへ向かった。
「ど、どこいくの?」
「……何でお前にいちいち言わなきゃなんねぇんだよ」
無愛想に返したウサギは部屋を出ていった。
しばらくして戻って来たウサギはこちらになにかを投げて寄越した。
あわてて受けとると、それは茹でてあるっぽいニンジンだった。
「あの、これ………」
「るせぇよ。人間が何食うかなんて知らねぇからな」
あ、ということはこれ、朝飯か。
気を遣ってくれたんだろうウサギは、プイと後ろを向いてしまった。
「あ、ありがとう……」
「ん」
短く返事を返したウサギ。意外に良いやつなのかもしれない。
しばらくすると、ウサギはごそごそと着替え始めた。制服のようだ。
へえ、学校ちゃんと行くんだ。
まじまじと見つめる僕に気づいたらしいウサギは、不機嫌そうに言った。
「……なんだよ」
「い、いや……学校行くんだな、と思って」
ウサギは何も言わずに着替えを続けた。
「ねぇ」
「…なんだ」
「学校さ、ついていっても良い?」
「……はぁ?」
「何かさ、手掛かりがあるかもしれないだろ?」
「…………好きにしろ。ただし邪魔はすんな」
やった!何とか承認!
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