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おはよう
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『お主の居場所とはどこだ』
知っているようで知らない声が話しかけてくる。
知るか。俺の居場所とか俺が1番知りたいわ。
『お主の居場所とはどこだ』
答えたのに、声は再度同じ問をしてくる。
俺の居場所‥‥か。
深く考えたことのない問いに、俺は考えてみた。
だか、浮かぶものもなく、俺の思考はテレビの砂嵐のような感じにごちゃまぜだった。
『‥‥‥力は欲しいか』
答えないでいると、声は違う問いをしてきた。
力は欲しい。誰を守るかも分からないし、守るものも見つかっていない‥‥‥けど誰かを守れる力は欲しい。
次の問いにはハッキリ答えられた。
俺にはまだ守りたいと思えるものがない。だか、もしその時が来たら、守れるだけの力は欲しい。
『‥‥‥ならば力を与えよう』
声がそう言った瞬間、俺は暖かい何かを感じた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
?「‥‥!‥‥‥!?」
?「‥‥‥。‥‥‥‥‥!」
うるさい。
俺の意識は、誰かが怒鳴りあっている声で覚醒させられた。
「ん〜‥‥‥誰だ?」
こん「!!黎音様!起きたのですね!よかったですー!」
「うぉ!こんのすけ」
上半身を起こした瞬間に俺の胸元に飛び込んできたのは、涙を流したこんのすけだった。
そこで俺は思い出す。
そっか。俺、あの後倒れちゃったのか。
最後の記憶は、こちらを心配そうに見つめた2人の青年の顔だった。
確か片方は白髪で、もう片方はピンクの長髪だったはずだ。
「なんだ。心配したのか?」
こん「当たり前です!」
俺の胸元でわんわんと泣くこんのすけの背中をポンポンと叩きながら、俺は今いる部屋を見渡す。
広さだいたい24畳ぐらいの部屋で、一言言うと広い。
家具も何も無く、あるのは俺が今寝ている布団ぐらいだ。
人が暮らすのには一畳あれば十分って言うの本当だったんだな。
こんのすけを宥めながらそう思った。
「‥‥ん?なんだ。マンバもそこにいるのか」
山国「っ!‥‥‥‥すまない」
光が刺している方とは逆の襖から、少しだけ顔を出したマンバが、その格好のまま謝ってきた。
「ん?別に怒ってたりしてないから謝ってもらわなくて大丈夫だ。それよりほら‥‥‥来いよ」
山国「っ‥‥‥本当に‥すまない」
俺が右腕を広げてマンバを呼ぶと、マンバは素直にこちらに来て俺に抱きついてきた。
その力は強く、まるで迷子だった子供が親を見つけて抱きついたみたいに、強く俺を抱きしめてきた。
左には泣いている狐。右には俺よりでかい苦しそうな顔の青年‥‥‥俺は子持ちな歳じゃねーのになー。
暫くの間2人の好きなようにさせると、落ち着いてきたのか2人共俺から離れた。
「落ち着いたか?なら状況説明を頼む」
こん「‥はい。まず、黎音様が倒れる前に直した刀剣男士達ですが、今は本家の方で休んでおります」
「‥‥ん?本家?今の言い方ならいくと、ここ離れかなにかか?」
山国「‥‥‥そうだ」
俺の問いに、マンバは申し訳なさそうに苦しそうな顔した。
別にお前はもちろん誰のこともせめてるつもりはないんだけどな。
俺はマンバの顔が少しでも緩むようにと、手を頭に持っていき、優しく撫でた。
山国「!?」
「ほらほら。眉間のシワを伸ばせ‥な?」
目を白黒させていたマンバは、だんだんと顔を赤くしてから、恥ずかしそうに下を向いて頷いた。
可愛いなー。
俺はそのままマンバを撫で続け、こんのすけに状況説明を続けてもらった。
今度は俺が疑問に思った、さほど怪我をしてない刀剣男士達を直した時にも、マンバ達と同じ量の霊力を持っていかれた事も含めだ。
こん「あの後、私達が部屋を探しておりますと、だんだんと本丸内の空気が清浄されていき、手入れ部屋などの機能が一気に立ち上がりました。
恐らくは、黎音様の霊力がこの本丸内に吸い込まれた影響だと思います。
あ、説明しておりませんでしたね。
この本丸内の物は、大体の物が審神者の霊力で機能しております。
手入れ部屋などはもちろんのこと、お風呂や電気。それに本丸の結界などもです。
黎音様が怪我をさほどしていない刀剣男士を直したのに、霊力を多く消耗したのは、この前審神者がいなくなり、黎音様が審神者と本丸が認識したからだと思われます。
今の本丸の状態は、傷ついていた刀剣男士達がただいま手入れ部屋で順に手入れを受けております。
先程までは日本号もこの場にいたのですが、急激な本丸の変化に追いつけていない本家の刀剣男士に連れていかれました。
私達は、黎音様が目覚めるまでここを動きたくはなかったので、ここにいます」
全て説明され、俺は考える。
そして、結論を出した。
「とりあえず飯だな」
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