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起首2
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「あ、雨音」
雨音は主に舞台の設備に関わっている団員。
紅に心酔しており、オーディションを2回落ちても諦めがつかず、2週間に1回のペースで履歴書を手にここに訪れ続けた結果、紅が折れて入団した。
紅信仰心が厚い雨音なら、何か知っているはずだ。
タイミングよくリビングに居た雨音を引き留めた。
「はい」
「紅さんの様子おかしかったけど、なにかあった?」
「しおんってやつに会いに行くって言ってました」
「しおん?」
「多分本名じゃないですよ。俺たちと同じです」
そう。
俺たちはお互いの本当の名前を知らない。
紅、音葉、雨音、連
皆紅がつけた芸名。
深い理由は知らないが、紅は親密な接触を嫌い、あえて本当の名前を知らないという壁を設けている。
「今夜は、帰らないらしいですよ」
「その他には何も聞いてないのか?」
「まぁ、はい。でも俺はそこで諦めるような人間じゃないんで」
雨音はケツポケットから携帯を取りだし、何かを確認したあと、慌てて走り出した。
「雨音?!」
「GPS!切られてます!!」
あいつ紅にGPSなんかつけてたのか、本当に恐ろしいやつだな…
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