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そして(ちょっと注意)
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「…っ……んんっ…はぁっ……!」
口内に、ぬるりとした生暖かいものが入ってくる。……舌、だ。花宮さんの、舌。
どうしよう、どうして、こんなことをしているのだろう。
……でも、嫌じゃ、ない。……気持ち、いい……?
少しずつ、少しずつ身体から力が抜けていく。自分の身体を支え切れなくなった僕に気付いたのか、花宮さんは自然にソファへ導いてくれた。
思わずぎゅっとつむってしまっていた目を薄く開く。自然と溜まっていた涙でぼやける視界。それでも花宮さんの表情はよくわかった。まるで余裕のないそれ。悩ましげに顰められた眉、薄く紅潮した頬。目は獰猛な野生動物を思わせるような、激しい感情を孕んでいる。
きゅうぅと、胸が締め付けられるような感覚。堪らず、花宮さんの服に縋り付く。2人分の熱が、吐息が融け合う。
どれだけの時間がたったのか。はっとしたような顔をした花宮さんが焦ったように、しかし優しく離れていく。少し名残惜しい、なんて。
2人の間に繋がる銀の糸が途切れて少ししてから。花宮さんはなんということをしたのか、と物語る絶望的な表情で、ごめん、と呟いた。
「……ごめん、……ごめ、ん」
「……にい、さん」
「悪かった、ごめん、泣かないでくれ、ごめん、」
「にいさん、真兄さん」
泣いてるのは貴方の方でしょう、と。謝りながら、力が抜けてソファに横たわる僕を抱きしめる花宮さんを、抱きしめ返した。
幼い子供のように震える彼の背中を、ぽん、ぽんとあやすように叩く。
「大丈夫です、これは生理的なものですから。……別に、嫌じゃないです。自分でもびっくりしましたけど、……嫌じゃ、なかったです」
花宮さんの瞳が揺れる。それを見て、また安心させるように薄く微笑むと、花宮さんの目に溜まっていた涙が零れ始めた。それすら美しい、愛おしいと思ってしまうだなんて。きっと、僕は。
「……すき、なんだと思います」
「……え」
「そういうのってよくわからないんですけど……僕は、兄さんが好きなんだと思います」
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