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83 《神原》
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《神原》
……とうとう、警察に押し切られてしまった。
よりにもよって、二ノ宮くんが居ない時に!
二ノ宮くんが、居たならば、凛くんもちょっとは、心強いだろうに…。
凛くんが笑顔を見せてくれるのは、お兄さんと二ノ宮くんと日向太くん、それに、辛うじて私くらいだ。
仕方がない。
私が付いていて、セーブしなければ。
警官は、二人。
入ってみると、凛くんは目覚めていた。
「凛くん、気分はどうかな?
ちょっと…警察の人が凛くんに、聞きたい事があるそうなんだ。
話せる?」
「はい。神原先生…。」
入った途端、凛くんは、能面のような顔をしていた。
およそ、喜怒哀楽の表情がない。
女の子のような可愛い顔してるから、余計に警官には、癇に障ったんだろう。
一人の若い方の警官が、睨み付けてる。
それは…おそらく、凛くんにとったら、自己防衛の一つ。
多分、凛くんは…小さい頃から泣いたら虐待され、笑っても虐待されて来たから…。
「瀬上凛…くんだね?」
年取った方の警官が、言う。
「寝たままかよ。」
若い方の警官がボソッと言う。
「ああ、そのままで結構。さて、始めようか?」
年取った方の警官が、話を進めようとする。
「さあ、その日にあった事を話してもらおうか?」
「………」
凛くんは、黙ったままだ。
若い方の警官が、イライラして叫ぶ。
「何とか言ったらどうなんだ?!!」
「止めなさい。
じゃあ、どうしてあそこに行ったのかは?」
また、黙ったまま。
「聞いてるのかっ!!」
「……聞いて…ます。」
「じゃあ、喋る気が無いのかっ!!」
若い方の警官が、凛くんの胸ぐらを掴んだ!
「乱暴は止めてください!」
私が割って入る。
……そんな訳で、話しはなかなか進まなかった。
「凛くん、疲れてます。もう、ここら辺で…。」
年取った方が、ため息を吐いた。
「仕方ない。また来ます。」
若い方は、睨んだままだ。
2人の警官が出て行って…ため息を漏らしたのを聞いたのか、凛くんが、申し訳なさそに言う。
「……神原先生…すみません…。」
「いいよ?疲れたろう?」
凛くんは、首を振る。
凛くんは…何を考えているんだろう…?
何故、正直に言わない?
凛くんが、酷い暴力とレイプされたのは、明らかなのに…。
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