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84 《日向太》
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《日向太》
凛…。
凛は…あんまし喋らねー。
見舞いに行く度に、機械付けてる数は減り、起きてる時間が長くなってるものの…。
でも、喋らない。
二ノ宮さんは、凛くん、安心してるのよ、見守っときましょう、つて言うけど…なんか…寂しい。
「なぁ凛?喉、痛い?」
凛は、首を振る。
「んじゃ、何でだ?ちょっとは喋れよ?」
凛には言えねーが、凛の憎まれ口が恋しい。
「なんで…って…。」
「おお!すげー久々に聞いた!!
凛の声!!」
「そう…かな?返事はしてるよ?」
「首振るだけだろー?」
「でも、返事は返事。」
「それそれ!!
その憎まれ口も久しぶり!!」
感動だーー!!
「……憎まれ口が嬉しいなんて…何か変…。」
「変で結構!いーじゃねーか。」
凛が笑い出す。
うん、そんままの凛だ。
「……ひな?」
「ん?」
「その…変な呼び出し…とか無い?」
「変な呼び出し?」
…何言ってるんだ、凛は?
「…無いけど…?」
「…だったら、いいんだ。
それより、野球部は?」
「ああ、野球部?
それがさ!」
野球部の新体制の事を話す。
凛は、チャチャ入れながら、それこそ、前とおんなじように聞いてくれた。
…この時は、大して考えて無かったんだ。
凛の発言の重大さなんて。
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