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95 《直》
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《直》
凛…いい奴なんじゃねーか。
能面のような表情してる時はともかく、話してると、素直に、表情が変わるよーな気がするし…。
と、すると、兄貴はどうして、凛に優しくしてやらねーんだ?
嫌な奴だったらともかく…。
おふくろは、わかる。
なんだかんだ言っても、おふくろの離婚の原因は、凛のかーちゃんなんだから。
ほら、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いって言うし!
うーん…。
「…時間…大丈夫?」
「あ!いけね!」
危ない、危ない、30分間近だ。
「サンキュな、凛。
また、来るよ。」
「え….?」
ほら、また戸惑ってやがる。
「今度は、一人でな。」
いーこ、いーこしてやった手を払う。
「…子供じゃない。」
「でも、にーちゃんだ。兄貴だってするだろ?」
「…うぅ…。」
「だから、問題なし!」
「……なんか変…。」
上目遣いで、口、への字…かわい。
「じゃあな!」
病院の玄関に、急ぐ。
兄貴は、もう来てた。
「帰るぞ。」
「凛に会って行かねーの?」
「用件は、済んだ。」
こわ…。
ピリピリしてんな…。
はい、黙って帰ります。
電車に揺られながら、思う。
凛は…
警官は能面で、
兄貴は遠慮がちで、
俺には…?
俺には…心、ちょっとだけ開いてくれた…かな?
あーー!!
凛の事、もっと知りてーよ!
兄貴に聞いたって言うわけないし…。
うん!兄貴が何と言っても、会いに行こ!!
これで、決まり!!
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