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名前 17
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俺には少し慣れてきたといっても、やはりまだ知らない人は怖いのか青い顔でガタガタ震える。
片手を伸ばして待っている志樹に怯えながらも、ゆっくり足を進めてこちらに近づく。
「怖いのに来るんだ、変な子」
楽しそうに口に手を寄せて笑う志樹は、女王様気質のサディストだ。
男は皆自分の言う事を聞いて当然と思っているし、可哀想なやつを見るとさらに虐めたくなるらしい。要するにただの変態だ。
そいつは俺の横まで来て、青い顔のまま1度俺を見上げて通り過ぎると、志樹の目の前で止まった。
もしかして、今助けて欲しくて俺を見たのか?
それならそうと口に出せばいいのに、相変わらず自分の気持ちを表に出そうとしない。
「そんなに怖い?幽霊みたいな顔になってるよ」
「……っ」
ツンツンと鼻をつつかれて自分の服をギュッと握るそいつが、またチラ、と俺を見た。
やはり無意識に俺に助けを求めているのが分かる。
「怖いなら怖いって言えよ。我慢するなって教えただろ」
「っ………こ……ぃ、こわぃ…」
蚊の鳴くような声で言ったそいつの腕を引いて、俺の元に寄せた。
震えは止まらないけれど、志樹の傍よりはマシなのかコソコソと俺の背中に隠れようとする。
そんなに怖いなら何で出てきたんだよ、こいつ。
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